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消費カロリーと死亡率との関係を詳しく調べるために、両グループをそれぞれ5階級に分けました。
激しい運動というのは、短時間に集中的にエネルギーを消費するという意味ですから、時間が短ければ総消費カロリーは少なくなります。 逆に、軽い運動でも時間が長ければ総消費カロリーは多くなります。
そこで5階級に分ける際、2つのグループのそれぞれで消費カロリーが等しくなるように工夫しました。 たとえば、もっとも消費カロリーの少ない第1階級は、激しい運動を行っている人も軽い運動を行っている人も、一週間当たり500〜1000キロカロリーという値になる人たちを集めたものです。

集計の結果、激しい運動を常習的に行っていた人たちは、消費カロリーが多いほど死亡率が小さくなっていたことがわかりました。 一方、軽い運動しかしなかった人たちでは、消費カロリーと死亡率の間に何も関係がありませんでした。
結論をまとめると、軽い運動は少しやっても多くやっても変わりはありませんが、激しい運動を長くやった人は長生きをした、ということです。 原因か結果か1つ目の調査の結果と合わせて考えると、運動は体にいいという結論になりそうです。
ただし、1つ目の調査ではほどほどの運動がいいということでしたし、2つ目の調査結果は激しい運動のほうがいいということでした。 話が食い違っていますから、これでは、どれくらいの運動が適切なのかわかりません。
この2つの調査に共通しているのは、どちらもアンケート調査であるという点です。 アンケートですから、協力者を2つのグループに均等に分けるという、大切な作業が行われていません。
結果をあとで調べただけですから、比較する対象がありません。 研究を行った人たちは、運動習慣のあった人となかった人を比較したので問題はないといっていますが、それは違います。
激しい運動を自分の意思で続けてきた人たちは、生まれながらにして体が丈夫だったのではないでしょうか。 体調が悪い人は運動などしませんから、運動量の多い人ほど寿命が長いのは当たり前です。
病弱な人は、最初から運動をしようという気さえ起こらないと思います。 これでは、運動の効果を証明したことにはなりませんし、寿命との関係が結果なのか原因なのかわかりません。

体の頑丈な人も病弱な人も合わせて大勢集め、均等にニグループに分けたうえで、比べなければ無意味です。 アンケート方式ではありませんが、やはり運動経験の有無によって死亡率がどのように違うかを大規模に調べた調査があります。
トレッドミルというベルトコンベア式のランニングーマシンを使って、精いっぱい走ってもらい、脈拍を測りました。 スポーツ医学では最大心拍数という言葉をよく使います。
220から年齢を引いた値です。 20歳の人の最大心拍数は200、50歳であれば170となります。
心拍は脈拍と同じ意味です。 年齢を考えるとこれくらいが脈拍の限度ではないかという数値と思ってください。
この調査では、いくらがんばっても脈拍が最大心拍数の85パーセントまでいかなかった人にも外れてもらいました。 何か体調に問題があるかもしれないからです。
協力者には、5年の間隔をおいて2回の体力測定を受けてもちいました。 体力は、トレッドミル上で走り続けることができた時間で表しています。
こうして、1回目と2回目の測定の間で体力が向上した人としなかった人が判定できますから、その結果によって2つのグループに分けました。 死亡率は、1回目も2回目もともに運動能力が高かったグループでもっとも低く、どちらも低いままであったグループがいちばん高かったそうです。
体力がある人は長生きをしたという結論です。 基本的には、この研究も先ほどの2つのアンケート調査と同じ問題を抱えています。
自分の好きなように体を動かした人と動かさなかった人について、その結末を調べただけですから、運動の意義を科学的に調べたとはいえません。 実際、死亡した人たちは、血圧やコレステロールが高かったそうですから、そのせいで寿命が短かっただけかもしれません。

科学的根拠はないアメリカの医学会では、健康を増進し病気を予防するという理由で、運動を積極的に行うようにという勧告を出しています。 常識的に考えれば、きわめて当然な話です。
しかし、その根拠になっているデータが、ここでお話しした程度のものなのです。 少なくとも、運動で長生きができることを示した科学的な証拠はありません。
運動を結果的に一生懸命行ってきた人が長生きをしているという点では、多数の調査で結果が一致しています。 しかし、治療や健康増進の手段として運動指導を受けた場合に、本当に長生きできるかどうかはわからないのです。
第1条タバコをやめる悲観的な話ばかりになってしまいました。 では長生きをするために、今、何をすればよいのでしょうか。
とくに日本人は、まずタバコをやめるべきです。 ある計算によると、タバコで命を落とした人の数は、世界中で3000万人にもなるそうです。
あのベトナム戦争による犠牲者は200万人ほどだそうです。 こう考えますと、タバコは人類が生み出した最悪の毒です。
日本人男性の2人に1人がタバコを吸っています。 日本人医師の5人に1人が、まだタバコをやめられません。
アメリカやヨーロッパの医師に比べ2倍から3倍も多いのです。 医師がタバコを吸っていたのでは、健康について語る資格はありません。

数年前、アメリカのある航空会社の国際線スチュワーデスが肺ガンになりました。 原因が飛行機の中で客の吸ったタバコのせいだと考え自分の勤務する航空会社を告訴しました。
勤務が長時間におよぶ国際線で、客に喫煙を許している会社が悪いと訴えたわけです。 その結果、裁判で彼女の主張が通り、会社は賠償金を支払う羽目になりました。
日本では、こんな訴訟はとても考えられません。 ましてや、裁判で簡単に勝ってしまうということもあり得ないのではないでしょうか。
この事件が1つのきっかけとなって、航空機は全面的に禁煙となりました。 ところが、一部だけしばらく例外が残ったのです。
それは、多数の日本人が搭乗する路線でした。 航空会社によると、禁煙にしてしまうと日本人が乗ってくれないからという理由でした。
じつに恥ずかしい話です。 航空機に限らず、先進国では、レストランやホテルなど人の集まるところは、全面的に禁煙か、タバコを吸う場所がはっきり分かれています。
このような国々を旅していると、タバコの煙に悩まされることはまったくありません。 日本に帰ってきた時、最初に気になるのがタバコの臭いです。

最近は、さすがに駅などでは禁煙にするところが増えてきましたが、まだまだ開発途上国並みなのです。 受動喫煙の害ところで、アメリカで裁判を起こしたスチュワーデスは、自分ではタバコを吸っていません。
タバコを吸うとガンになるという話は誰でも知っていますが、他人が吸った煙も悪いのでしょうか。 他人のタバコの煙を吸い込むことを受動喫煙といいます。
最近、受動喫煙の害を示す証拠が、2倍高くなります。 家族が1人でもタバコを吸っていると、子供が喘息などにかかる率が4倍も高くなります。
家族の2人が10年間タバコを吸い続けると、子供が2倍も多く肺ガンになります。

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